北欧に学ぶ、肩の力を抜いた暮らし―仕事も家庭も、頑張りすぎなくても大丈夫

働き方

朝起きたら子どもの支度をして、急いで保育園に送って、会社で忙しく働いて、夕方には駆け足でお迎えに行って、帰ったら夕飯の準備に洗濯、お風呂…。
気がつけば一日が終わっていて、「明日もまた同じことの繰り返しか」って、ため息をついてしまう。
そんな毎日を送っていませんか?

「もっと頑張らなきゃ」「もっとちゃんとしなきゃ」って、自分を追い込んでしまっていませんか?

でも、少し視線を北欧の国々に向けてみると、まったく違う暮らし方をしている人たちがいます。

2024年版の世界幸福度報告では、フィンランドが7年連続で1位、デンマークが2位、アイスランド、スウェーデン、ノルウェーもすべてトップ10に入っています。北欧の人たちが大切にしているのは、「力を抜くこと」「休むこと」「今を楽しむこと」。完璧を目指すのではなく、自分らしく、無理なく生きることです。

この記事では、北欧の働き方や文化から学べる、肩の力を抜いた暮らしのヒントをお届けします。あなたの毎日が、少しでも軽やかになるように祈っています。

北欧諸国の働き方ってどんな感じ?

北欧の働き方は「8-8-8」が基本

北欧の国々には「8-8-8」という考え方があります。これは1日24時間を、睡眠8時間、仕事8時間、自分の時間8時間に分けるという考え方です。

日本では仕事が最優先で、残った時間から睡眠や自分の時間を引き算することが多いですよね。でも北欧では、睡眠も仕事も自分の時間も、どれも等しく大切なものとして考えられています。

スウェーデンでは一部の企業で6時間労働制が導入されており、デンマークは週37時間制です。ノルウェーでは8時から16時までが基本的な勤務時間で、北欧諸国の中でも一番早く帰宅する国と言われています。

そして何より大切なのは、残業という概念がほとんどないこと。定時になったらみんなさっさと帰ります。それどころか、残業をする人は「仕事ができない人」と見られることもあるそうです。

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「早く帰る」が当たり前の文化

ノルウェーでは、93%の人が「自社の生産性が高い」と回答しているのに対し、日本では23%にとどまっているという調査結果があります。長く働くことが評価されるのではなく、早く仕事を済ませて帰宅する姿勢が評価される。国全体にそんな風土が根付いているから、定時に帰っても誰も白い目で見ません。

デンマークでは、15時や16時には退社する人も珍しくないそうです。役職者であっても、定時になれば帰宅して家族とゆっくり過ごします。日本とは真逆ですよね。

内閣府男女共同参画局のデータによれば、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーといった北欧諸国では、男女の有償労働時間と無償労働時間(家事・育児)の分担割合がほぼ半分ずつになっています。男性も女性も、仕事も家事も育児も、等しく担っているのです。

有給休暇は100%取得が当たり前

北欧の人たちは、3〜4週間の長期休暇を交代で取得するのが一般的です。最低でも5週間の有給休暇取得が法律で義務付けられている国もあり、有給取得率はほぼ100%です。

夏には「サマーハウス」と呼ばれる別荘に出かけたり、海外旅行を楽しんだりする人がたくさんいます。北欧在住の日本人のYouTubeを見ていると、「バケーション」という言葉が頻繁に出てくるのも納得です。

ノルウェーでは1993年に「パパ・クオータ制度」が導入されました。これは、父親が育休を取得しないと母親が育休を取得する権利を失うという制度です。しかも育休中(44週間以内)の給料は100%支給され、ノルウェーでは父親の9割が育児休暇を取得しています。スウェーデンでも同様の制度があり、父親の育休取得率は約8割に及びます。

こうした働き方があるからこそ、スウェーデンでは専業主婦世帯が約2%程度と非常に少なく、「全員労働参加」が実現しているのです。

デンマークの「ヒュッゲ」―小さな幸せを大切にする

デンマークには「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉があります。「居心地のよい空間」「ほっこりする時間」「まったりとした幸せ」といった意味です。

たとえば、キャンドルの灯りの下で家族とゆっくり夕食を楽しむ時間。温かいコーヒーを飲みながら、ソファで好きな本を読む時間。友人を自宅に招いて、お菓子をつまみながらおしゃべりする時間。そんな何気ない日常の中にある、小さな幸せを大切にする考え方です。

デンマークでは、ロウソクの消費量がヨーロッパで最も多い国の一つと言われています。照明を落として、食卓に季節の草花を飾り、何個ものキャンドルを灯す。炎のゆらぎに、身も心も癒される。そんな時間を、毎日の暮らしの中で大切にしているのです。

北欧は冬が長く、11月から3月まで続く厳しい寒さの中、日照時間も極端に短くなります。そんな環境の中でも明るくハッピーに過ごそうと、家でのリラックスタイムを楽しむ文化が発達してきました。

デンマーク幸福研究所CEOによると、ヒュッゲはただの1単語にとどまらず、デンマーク人が大切にするアイデンティティのひとつだそうです。日々の中で「ヒュッゲな時間だった、ありがとう」と言い合う文化があるのです。

出典:https://unsplash.com/ja/

スウェーデンの「フィーカ」―休憩を大切にする

スウェーデンには「フィーカ(Fika)」という習慣があります。これは、甘いものを食べながらコーヒーを飲む休憩時間のこと。スウェーデン語で「kaffi(コーヒー)」を逆さにして生まれた言葉です。

スウェーデンの多くの企業では、勤務時間中にフィーカの時間を設けています。午前10時頃と午後3時頃に、15分程度のフィーカタイムを取るのが一般的です。

フィーカの時間は仕事から完全に離れて、社員同士でコミュニケーションを取りながら、リラックスして過ごします。シナモンロールやクッキーといった甘いお菓子と、コーヒーや紅茶を楽しみます。

「仕事中にそんなに休憩して大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、むしろこのメリハリが生産性を高めているのです。「フィーカの時間はしっかり休み、就業時間はしっかり働く」を実践しているから、スウェーデンの人はあまり残業をしないと言われています。

またフィーカの時間は、普段はあまり関わらない人とも自然にコミュニケーションを取る機会になります。週末の予定や趣味の話など、仕事から離れた話題で交流することで、職場の人間関係も円滑になっていくのです。

スウェーデンの一人当たりのコーヒー消費量は世界でもトップクラス。年間で一人あたり約9.1kgものコーヒーを飲むそうです(日本は約3.4kg)。フィーカの文化が深く根付いているからこそですね。

日本との違いを数字で見てみると

内閣府男女共同参画局のデータを見ると、日本と北欧の違いがよくわかります。

日本では、有償労働時間の女性の分担割合は37.5%と11か国中で最も小さい一方、無償労働時間(家事・育児)の女性の分担割合は84.6%と11か国中で最も大きくなっています。つまり、日本では男性に仕事が偏り、女性に家事育児が偏っているということです。

一方、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの北欧諸国では、男女の有償労働時間も無償労働時間も、分担割合がほぼ半分ずつになっています。

これは社会制度の違いもありますが、何より「男性も女性も、仕事も家庭も大切にする」という価値観が根付いているからです。

あなたもこんな暮らしを目指してみませんか?

完璧を目指さない暮らし方

北欧の人たちの暮らしを見ていると、「完璧を目指していない」ことがよくわかります。

ヒュッゲもフィーカも、特別なことは何もしていません。キャンドルを灯して家族と過ごす。コーヒーとお菓子で一息つく。ただそれだけのことを、大切にしているのです。

「明日も頑張らなきゃ」と自分を追い込むのではなく、「今日はこれでいい」と自分を認めてあげる。「まだまだ足りない」と追い詰めるのではなく、「すごくよく頑張ってる」と声をかけてあげる。「完璧な親」「完璧な社員」を目指すのではなく、「自分らしい親」「自分らしい働き方」を大切にする。

そんな北欧の人たちの考え方は、頑張りすぎている私たちに、大切なことを教えてくれます。

今日からできる小さな一歩

「でも、日本では難しいでしょ?」と思うかもしれません。でも、考え方や暮らし方のヒントは、今日からでも取り入れることができます。

  • 夜は照明を少し落として、キャンドルを灯してみる。それだけで、部屋の雰囲気が変わり、ゆったりとした気持ちになれます。しっかり休むことは、しっかり働くことです。しっかり眠ることは、しっかり仕事ができる土台です。
  • 午後3時に10分だけ休憩を取って、好きな飲み物とちょっとしたお菓子でほっと一息つく。仕事の合間の小さなフィーカタイムです。気の合う仲間を誘って雑談でも、一人きりでゆっくりでも構いません。その休息が、生産性を上げてくれます。
  • 自分じゃなくてもできることは、人にお願いする。あなたが休んでも、しっかり回る体制、工夫をする。それは組織としての成長です。
  • 「今日は頑張った」「これでいい」と、自分を認めてあげる。完璧じゃなくても、それでいいんです。
  • 週末は、家事を完璧にこなそうとするのではなく、家族とゆっくり過ごす時間を優先する。子どもと公園でのんびり日光を浴びるだけでもヒュッゲな時間です。あなたは会社のためだけに存在するのではありません。大切な家族の一員です。

小さなことでも構いません。大切なのは、「力を抜いてもいいんだ」と自分に許可を出すこと。「休むことも大切なんだ」と認めてあげることです。その小さな積み重ねが、やがて大きな流れに変わっていきます。

罪悪感を手放していい

出典:https://pixabay.com/photos/teamwork-cooperation-brainstorming-3213924/

日本で暮らしていると、「休むこと」に罪悪感を感じてしまいがちです。定時で帰ると申し訳ない気持ちになったり、有給を取ることに後ろめたさを感じたり。

でも、北欧の人たちを見てください。定時で帰るのが当たり前。有給は100%取得するのが当たり前。そして、それが当たり前だからこそ、仕事の生産性も高く、幸福度も高いのです。

今日は絶対に( )時までに帰ると決めて、仕事に集中してみてください。意外とできるものです。きっとあなたが頑張ってきたことと工夫を重ねれば、実現できると思います。それに遅い時間は非常に生産性がさがるので、昼の1時間と夜の1時間はできる仕事の量も質も違います。ならいっそ今日は帰って、明日にしませんか?

「休むこと」「力を抜くこと」は、決して悪いことではありません。むしろ、長く健康に働き続けるために、そして家族と幸せに暮らし続けるために必要なことなのです。スポーツでも、ずっと力を入れっぱなしでは瞬発力も持続力も発揮できません。脱力状態があるからこそ、俊敏にうごけたり、長時間動けるはずです。休みが必要なのは、人間として当たり前です。

罪悪感を手放してください。あなたは十分頑張っています。

自分を大切にすることが、みんなを大切にすること

北欧の人たちが教えてくれるのは、「自分を大切にすることが、結果的に周りの人を大切にすることにつながる」ということです。

自分が心身ともに健康でいるから、家族に優しくできる。自分がリラックスできているから、仕事でもいいパフォーマンスができる。自分が幸せだから、周りの人も幸せにできる。

逆に、自分を犠牲にして頑張りすぎると、心も体も疲れ切ってしまいます。そうすると、家族にも優しくできなくなるし、仕事の質も下がってしまいます。

だから、まずは自分を大切にしてください。完璧な親、完璧な社員を目指すのではなく、元気で笑顔でいられる自分を目指してください。

空いた時間や、休みの日は、ぜひ自分のやりたいこと、趣味などにも使ってあげてください。

まとめ

北欧の人たちの暮らし方から学べることは、たくさんあります。

  • 「8-8-8」の考え方で、睡眠も仕事も自分の時間も、どれも大切にすること。
  • 「ヒュッゲ」の精神で、日常の小さな幸せを見つけて味わうこと。
  • 「フィーカ」のように、休憩をしっかり取って、メリハリをつけて働くこと。
  • 完璧を目指すのではなく、「これでいい」と自分を認めてあげること。

すべてを今すぐ変えることは難しいかもしれません。でも、小さな一歩から始めることはできます。

あなたは十分頑張っています。だから、肩の力を抜いてもいいんです。仕事も家庭も、完璧じゃなくていい。あなたらしく、無理なく、笑顔で過ごせることが一番大切です。幸せな笑顔が増えれば、家族も職場も笑顔が増えると思いますよ。

北欧の人たちのように、日々の小さな幸せを大切にしながら、自分らしい暮らしを楽しんでいきましょう。

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