PISA2022が示す北欧5カ国の学力崩壊の真実〜北欧の失敗から何を学べる?〜

子育て

「北欧って、教育がすごく優れているんじゃないの?」
ところが、近年その北欧諸国で学力の低下が続いていることをご存じでしょうか?

フィンランドやスウェーデンといった北欧諸国は、長年にわたって「教育先進国」のお手本として世界から注目されてきました。競争しない、宿題も少ない、子どもの幸福度を大切にする——そんなイメージが日本でも広く知られていますよね。

「北欧の教育はすごい」というイメージと、実際のデータのギャップに戸惑っている方も多いと思います。特に教育に関わる先生方や、北欧の教育に関心を持つ保護者の方なら、「一体何が起きているの?」と気になるはずです。

この記事では、OECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査(PISA)などの信頼できるデータをもとに、北欧の学力低下の現状とその要因をわかりやすく解説します。そして最後に、この状況が日本の教育にとって何を示唆してくれているかも一緒に考えていきましょう。

最近の北欧の学力低下の事実

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PISA2022で明らかになった「北欧ショック」

2023年12月、OECDはPISA2022(2022年に実施した国際学力調査)の結果を公表しました。15歳を対象に「数学的リテラシー」「読解力」「科学的リテラシー」の3分野を測るこの調査で、北欧5カ国の各国メディアはいっせいに衝撃的な見出しを掲げました。スウェーデン「数学と読解力で急降下」、ノルウェー「15歳の数学の成績は過去最悪」、フィンランド「いかにフィンランドの奇跡は崩壊したか」、デンマーク「数学がこれほど悪かったことは過去になかった」、アイスランド「これほど成績が下がった国はほかにない」と、一様に「PISAショック」を隠せない様子でした。

北欧各国 PISA 2022 結果(2018年との比較)

数学(Mathematics)

2018年スコア2022年スコア変化OECDランク(2022)
🇩🇰 デンマーク509489−20OECD平均以上
🇫🇮 フィンランド507484−23OECD平均以上
🇸🇪 スウェーデン503482−21OECD平均以上
🇳🇴 ノルウェー501468−33OECD平均以下
🇮🇸 アイスランド495459−36OECD平均以下
🇺🇸 米国478465−13OECD平均以下
🇯🇵 日本527536+9OECD平均以上
OECD平均489472−17

読解(Reading)

2018年スコア2022年スコア変化OECDランク(2022)
🇫🇮 フィンランド520490−30OECD平均以上
🇩🇰 デンマーク501489−12OECD平均以上
🇸🇪 スウェーデン506487−19OECD平均以上
🇳🇴 ノルウェー499477−22OECD平均以上
🇮🇸 アイスランド474448−26OECD平均以下
🇺🇸 米国505504−1OECD平均以上
🇯🇵 日本504516+12OECD平均以上
OECD平均487476−11

理科(Science)

2018年スコア2022年スコア変化OECDランク(2022)
🇫🇮 フィンランド522511−11OECD平均以上
🇩🇰 デンマーク493494+1OECD平均以上
🇸🇪 スウェーデン499494−5OECD平均以上
🇳🇴 ノルウェー490477−13OECD平均以下
🇮🇸 アイスランド475433−42OECD平均以下
🇺🇸 米国502499−3OECD平均以上
🇯🇵 日本529547+18OECD平均以上
OECD平均489485−4

総合順位(Overall PISA Score)

2018年スコア2018年世界順位2022年スコア2022年世界順位変化
🇫🇮 フィンランド5167位49512位−21
🇩🇰 デンマーク50116位49116位−10
🇸🇪 スウェーデン50216位48819位−14
🇳🇴 ノルウェー49718位47432位−23
🇮🇸 アイスランド48127位44739位−34
🇺🇸 米国49518位48918位−6
🇯🇵 日本5206位5333位+13

PISA2022の結果を国別に見ると、まずフィンランドは数学20位、読解力14位、科学9位で、前回よりも数学が23点減、読解力が30点減、科学が11点減と大きく落とし、特に数学では2006年当時の平均548点から2022年には484点へと、64点も低下しました。この落ち幅は参加国の中で最大です。デンマークは数学15位、読解力17位、科学21位で、数学は前回比20点減、読解力も12点減でした。

フィンランドの数学的リテラシーは2003年のPISAでは2位だったのが、2022年には20位と大きく順位を落としており、かつての「フィンランドの教育の奇跡」と言われた時代から一転、深刻な状況にあります。

また、北欧の中でも特に落ち込みが大きかったのはアイスランドです。2022年版PISAの結果は、アイスランドにおいて読解力をはじめとするスキルの顕著な低下を示しており、北欧諸国全体で見られる低下傾向の中でも、アイスランドの参加者ではより顕著な低下が見られました。

日本はどうだったのか?

対照的に、日本はPISA2022で読解力3位、数学的応用力5位、科学的応用力2位と3分野すべてで世界トップレベルを維持しました。OECD加盟国の平均点は読解力や数学で10ポイント以上下落したにもかかわらず、日本はむしろ成績を伸ばしています。

日本は大健闘していますね!日本の教育も決して悪いわけではありません。

デジタル化の影響

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IT先進国スウェーデンの「誤算」

北欧の学力低下を語るうえで、もっとも注目を集めているテーマのひとつが教育のデジタル化の問題です。

スウェーデンのソレントゥナ市は2010年にタブレットやPCを1人1台付与する計画を進め、紙の教科書を原則廃止するなど思い切ったIT活用に踏み切り、デジタル社会にいち早く対応した取り組みとして日本にも紹介されていました。しかし現在、それに逆行する流れが生まれつつあります。

スウェーデンでは2010年から国として教育のデジタル化をスタートさせましたが、2023年に脱デジタル化にかじを切り、紙での学習に戻しています。スウェーデンが方針転換を決めた背景には何があったのでしょうか。

スクリーンタイムと学力の関係

スウェーデンでは生徒がスマートフォンを視聴する「スクリーンタイム」の長さなどが社会問題化しており、OECDのPISA調査の分析で、スウェーデンの生徒の低成績と携帯電話の使用との相関が強いと指摘されています。

スウェーデンの小学4年生の読解力を測る国際読解力調査(PIRLS)でも、2016年から2021年の間に平均スコアが555点から544点へと11点低下しており、スウェーデン語を母国語としていない移民生徒の増加とともに、教育分野でのデジタル化が読解力低下の主要な原因として指摘されています。

研究機関が示す警告

スウェーデンのカロリンスカ研究所は「デジタルツールを使うことで、生徒の学習能力が高まるどころかむしろ低下することを示す科学的な証拠がある」との見解を示し、「正確性が精査されていないデジタルリソースを主な情報源とするよりも、紙の教科書や教師の専門的知識を通して見聞を広めることに再び重点を置くべきだ」と意見を述べています。

今の日本のIT教育の状況と重なる部分が見えてきませんか?

スウェーデンの政策転換の本質

ただし、「デジタル化がすべての原因」と断言するのは慎重でなければなりません。もともとスウェーデンでは教科書の明確な定義がなく、大量の広告を含む教科書が提供されるなど質が担保されていなかった事情があり、スウェーデンの本質的な問題は日本のような質保証された教科書が十分に提供されていなかったことにあるという説もあります。スクリーンタイムを減らして読書の時間を増やすことが政策目的であり、教科書の媒体として紙とデジタルのどちらが優れているかという話とは切り離して考える必要があります。

フィンランドでも、紙かデジタルかというよりはどちらがより適しているかで判断するという姿勢が見られます。また2023年6月、フィンランドでは学業に集中する環境を作るためスマートフォンの学校での使用を制限する動きも出てきています。

デジタルが得意なこと・アナログが得意なこと

では、デジタルとアナログはそれぞれどんな学習場面に向いているのでしょうか?北欧の経験も踏まえながら整理してみましょう。

デジタルが向いている場面

  • 選択問題や穴埋めテストなど反復練習の即時採点
  • 動画や図解を使った抽象的な概念の視覚的説明
  • 情報収集・調べ学習、高学年以降のプロジェクト型学習
  • グループでの情報共有
  • いつでもどこでも学べる自主学習のサポート  など

アナログが向いている場面

  • 漢字や英単語の習得、数学の途中式など手を動かして思考を整理する学習
  • 長文を深く読み込む読解力の養成
  • アイデアをメモ・付箋で書き出して俯瞰する作業
  • 低年齢児の基礎的な読み書き  など

結局のところ、「デジタルが悪い」「アナログが正しい」という二項対立で考えるのではなく、学年・学習内容・目的によって適切に使い分けることが鍵です。北欧の失敗は、デジタル化それ自体ではなく「全面移行」にあったと言えるかもしれません。

移民増加の影響

UnsplashKyle Glennが撮影した写真

拡大する「学力格差」

北欧諸国の学力低下を分析するうえで、見落とせないのが移民の増加に伴う学力格差の拡大です。

スウェーデンのPISA2022の報告では、「生徒の社会経済的背景は教育に多大な影響を与えている。近年、移民の影響で、スウェーデン語に慣れない生徒や、低学歴の親を持つ生徒がスウェーデンの学校に増えている」と指摘されています。

デンマークでも、移民の生徒は社会経済的に不利な立場にある傾向があり、数学の平均の差は54点も非移民の生徒のほうが高く、読解の得点差はさらに大きくなっています。フィンランドでは数学において移民1世が413点、2世が442点に対してネイティブのフィンランド人は491点と、移民1世とネイティブの格差は78点に達しています。

よく考えれば当然で、日本人だって外国に行けば、親子共に言葉を理解するだけでも大変なことが想像できますよね。日本は、まだまだ世界的にみて移民が少ないため、その影響が少ないとも言えます。

教師の負担増という側面

移民の生徒が増加することで、現場の先生方にも大きな負担がかかっています。フィンランドでは移民が急増したことで、外国にルーツを持つ子どもたちへの手厚い学習保障にコストの面から厳しい目が向けられるようになり、学校の大規模化とともに教員それぞれが専門性を生かした個性的なチャレンジをしにくくなっていきました。

フィンランドの教師は多様なニーズに応えるための負担が増加しており、教育の質が低下するリスクがあるとも指摘されています。

日本でも教師の負担が話題になっていますが、移民や外国人労働者が今後増えてくる可能性も非常に高いです。そうなると、さらに教師の負担は増えていきますよね。日本も他人事ではなさそうです。

その他の理由

フィンランドの教育改革の「副作用」

北欧の学力低下の原因として、移民やデジタル化以外にも注目されている要因があります。それが教育改革そのものの影響です。

フィンランドでは1990年代の教育改革で宿題や試験を削減し、個性重視に転換しました。この改革の最中にPISAのスコアが向上したものの、その後急速に低下しており、個性重視の学習方法が学力低下や格差拡大の要因になっているのではないかという指摘があります。

フィンランドの1990年代の教育改革では「自由すぎる」アプローチが思わぬ副作用を生んでおり、学習意欲の低下や、できる子とできない子の格差拡大が問題となっています。

教育予算の削減

フィンランドでは1990年代の経済不況時に教育予算が大幅に削減されたことが、その後の生徒たちの学力低下に寄与していると考えられています。また、社会経済的格差の拡大が学力低下と関連しているという指摘も出ています。

新型コロナウイルスの影響

PISA2022の報告では、新型コロナウィルスによるパンデミックが教育に大きな影響を与えたことが示されており、参加国の3分の2の国で学校が3カ月以上閉鎖になっていたとされています。閉鎖期間が長ければ長いほど、学力に影響が出たと分析されています。

北欧各国が取り組んでいる対策

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学力低下の深刻さを受け、北欧各国はすでに様々な改善策に乗り出しています。「失敗を認めて動く」姿勢は、北欧らしい合理的な姿と言えるかもしれません。

スウェーデン:脱デジタル化と教科書の再評価

最も大きな方針転換を行ったのがスウェーデンです。

2022年の政権交代をきっかけに教育政策が大きく転換され、ロッタ・エドホルム学校担当大臣は2023年8月、「幼稚園でのデジタル機器の使用を義務付けるという教育委員会の決定を覆す」と発表し、6歳未満の子どもたちのデジタル学習を完全に廃止する方針を明らかにしました。同年の新学期からは全土の学校で「印刷された本を使うこと」「静かに読む時間を設けること」「手書きの練習を重視すること」が指針として示されました。

また担当大臣は「今後は紙媒体の教科書への投資を増やす」と表明し、政府は紙の教科書購入に対する補助金制度を設けています。さらにスマートフォンの学校内使用を制限する法案が2023年10月に議会に提出されるなど、包括的な対策が進んでいます。

フィンランド:スマートフォン制限と基礎学力の見直し

フィンランドでは2023年6月、学業に集中できる環境を整えるため、学校でのスマートフォン使用を制限する動きが強まっています。

スウェーデンの事例に刺激を受けた形で、教科書の紙とデジタルのあり方についても議論が深まっています。一部の学校ではタブレットを禁止し、紙のノートと鉛筆を使う授業に戻す取り組みも始まっています。

フィンランドの教育庁は、基礎的な学力回復に向けた教育目標の見直しも検討しており、「知識・技能」と「個の成長」のバランスを改めて問い直す機運が高まっています。

デンマーク:少人数指導の強化と授業時間の増加

デンマークは、2003年のPISA結果を受けた2014年の国民学校法改正以来、数学・国語・英語の授業時間増加と全学年対象の全国学力試験の導入を進めてきました。

PISA2022の低迷を受け、教育大臣はさらなる対策として「デンマーク語と数学に苦労している生徒に、週に数時間、少人数のクラスで追加指導を受けられるようにすること」を提案しています。基礎的なつまずきを早期に発見し、個別サポートにつなげる体制づくりを強化する方向性が示されています。

ノルウェー:学習意欲の回復に向けた議論

ノルウェーでは、PISA2022の結果を受けて「解決策を話し合うために、ただちに当事者を含む関係者代表会議を設けた」と報告されており、政府・学校・保護者・生徒が一体となった対話的なアプローチが取られています。

また、2024年施行の新教育法では個別ニーズへの対応を強化し、学校が宿題を出す際には「生徒の休息と自由時間に対する権利を考慮しなければならない」とするなど、学習環境の質を多面的に高める取り組みが制度化されています。

共通する方向性

各国に共通するのは、「デジタル一辺倒をやめること」「基礎的な読み書き・計算の力を立て直すこと」「学習の苦手な子どもへの個別サポートを充実させること」の3点です。かつて「教育の理想郷」と呼ばれた北欧諸国が、現在は失敗を認めて地道な修正を続けているという事実は、教育における謙虚さと柔軟さの大切さを示しているといえるでしょう。

日本の教育への参考

UnsplashSenが撮影した写真

北欧諸国の状況は、日本の教育にとっても他人事ではありません。ここでは「家庭でできること」と「学校に求めること」に分けて整理してみましょう。

家庭でできること

① 子どものスクリーンタイムを把握・管理する

北欧の事例が示すように、スマートフォンやタブレットの長時間使用は読解力や集中力に影響を与えるリスクがあります。GIGAスクール構想によって端末が配布された日本では、お子さんが学習目的以外にどれくらい画面を見ているかを把握することが大切です。「夜◯時以降はスクリーンオフ」「食事中はスマホなし」といったルールを家族で話し合って決めるだけでも、意識が変わります。

② 読書習慣と手書きの機会を大切にする

読解力の低下が深刻な北欧の状況を見ると、日常的に「紙の本を読む」「手でノートを書く」習慣の価値が改めて浮かび上がります。富山大学の調査でも、記憶の定着や集中力においては手書き・紙学習のほうが高い効果が確認されています。難しい本でなくてもかまいません。図書館で好きな本を借りる、日記をつけるといった小さな習慣の積み重ねが、長い目で見て学力の土台になります。

③ 家庭での会話・対話を増やす

北欧の研究でも指摘されているように、子どもの語彙力や読解力は家庭での言語環境に大きく影響を受けます。夕食時に「今日どんなことがあった?」「それはどうして?」と問いかける習慣は、画面では代替できない豊かな学びの場になります。スウェーデンやノルウェーでも「家族で食卓を囲む時間」は子どもの発達に重要とされており、日本の家庭でも取り入れやすい習慣のひとつです。

④ 学力=点数だけではないと知っておく

北欧の教育が目指していたウェルビーイング(幸福度・満足度)の視点も、学力一辺倒にならない大切な価値観です。フィンランドは学力低下に悩む一方で、世界幸福度ランキングで近年も1位を維持しています(WHR2024)。子どもが「学ぶことが楽しい」と感じられる環境を家庭で作ることも、長期的な学力向上につながります。

⑤デジタルの得意を取り入れながら、アナログの良さも取り入れる

デジタル教材の良さもあります。タブレット教材などは繰り返し復習することや動画で理解を深めること、オンラインを活かした交流などに利用しつつ、アナログなカードゲームやボードゲーム、自然の中で経験することの良さも大切にし、どちらもバランスよく取り入れていくことが大切です。

学校にすべてを丸投げし、責任を追及するのではなく、家庭での在り方も見直したいですね。デジタルに頼るのではなく、人と人とのコミュニケーション、紙やペンでの体験も大切ですね。

学校に求めること

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① デジタルと紙のバランスある活用

日本でも「GIGAスクール構想」によってデジタル化が進んでいますが、北欧の事例はスクリーンタイムの管理や年齢・発達段階に応じた慎重な導入の重要性を示しています。ユネスコも「教育におけるデジタルテクノロジーは、過度または不適切な場合には有害な影響を及ぼし得る」と警告しています。学校には、低学年ほど紙・手書き中心の基礎学習を重視し、学年が上がるにつれて調べ学習や表現活動でデジタルを活用するという段階的な使い分けが求められます。

② つまずきの早期発見と個別サポートの充実

デンマークが少人数指導の強化で対応しているように、苦手な子どもへの早期介入は学力格差拡大を防ぐ重要な手段です。担任一人が抱え込むのではなく、学習支援員の配置や補習体制の整備など、学校全体で子どもを支える仕組みが求められます。外国にルーツを持つ子どもへの日本語支援についても、北欧の教訓から学べることは多くあります。

③ 急激な教育改革より、着実な改善を

フィンランドの事例が示すように、教育改革の成果が出るまでには時間がかかり、急激な変化がかえって副作用を生むこともあります。「個性を伸ばす」「探究型学習を取り入れる」といった取り組みは大切ですが、読み・書き・算数といった基礎学力との両立を意識した、段階的で丁寧な実践が学校現場には求められます。

④ 教員の働き方改革

学力の数字、順位だけを見て「日本の教育は万全だ」と安心するのは早計です。最近の日本でも教員の負担増、長時間労働とそれに伴う教員の不足などが大きな話題となっています。教員が余裕を持って子どもと向き合える環境を整えることが、持続可能な教育の質向上につながります。そのために余計な業務を削減する、家庭でできることは家庭でも指導する、ともに子どもを育てていく意識の再認識が求められています。

まとめ

参考データ:PISA2022における北欧5カ国と日本の順位(OECD加盟国中)

数学読解力科学
日本1位2位1位
デンマーク15位17位21位
フィンランド20位14位9位
ノルウェー28位20位22位
スウェーデン17位26位20位
アイスランド37位 以下OECD平均以下OECD平均以下

※出典:OECD PISA2022(国立教育政策研究所)

「教育の理想郷」と呼ばれてきた北欧諸国が、PISA2022で大きな学力低下を示したことは、世界の教育関係者に衝撃を与えました。その背景には、①急激なデジタル化に伴うスクリーンタイムの増加、②移民増加による学力格差の拡大、③教育改革による基礎学力の軽視、④コロナ禍の長期休校といった複数の要因が絡み合っています。

一方で北欧各国はこの状況を正面から受け止め、スウェーデンのデジタル教育の見直し・紙教科書の復活、デンマークの少人数指導強化、ノルウェーの対話型政策改善、フィンランドのスマートフォン制限など、それぞれが具体的な対策に動き出しています。「失敗を認め、修正する力」もまた、北欧教育の底力と言えるかもしれません。

大切なのは、「北欧の教育はダメだった」と切り捨てることでも、「やっぱり日本式が正しい」と自賛することでもありません。両方の教訓を学び、双方の良い面を取り入れ、デジタルとアナログの適切な使い分け、基礎学力と個性のバランス、格差への丁寧な対応——こうした視点を家庭でも学校でも日々の実践に落とし込むことが、子どもたちの未来をつくることにつながるのではないでしょうか。

教育の未来は、子どもたちの未来です。子どもたちの未来は、社会の未来です。日本の未来も、明るく幸せな社会であって欲しいですね。

一息ついて、がんばりましょ🍀

Fikaな暮らしでいいじゃない☕️

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